2010-12-29 今年のうちに

_ 今年あなたが観なかったかもしれない映画(邦画編)

4ヶ月も更新せずに空けといて、しれっと何事もなかったかのように更新します。

去年も書きました、今年あなたが観なかったかもしれないけど、僕が観た限りでは観といてもいいんじゃないかと思った映画、すなわち小規模公開で今年良かった映画を挙げてみたいと思いましたので挙げます。

今年は上半期にあまり映画を観られなかったので、通年で洋画邦画に分けてみたいと思います。まずは邦画編。

_ ボーイズ・オン・ザ・ラン (監督:三浦大輔)

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特に原作を読んだ人にとっては、評価が分かれる映画かもしれません。少し意味合いの違うシーンがあったりするので。

だけれども、俺にとっては、この映画は今年ベストワン級の映画なのです。心のなかに、ぐるっぐるに渦巻き続ける童貞心を持ち、そこから永遠に抜け出せない俺と、たぶん俺らにとっての、心底抱きしめたくなる映画ではないかなと思っています。特にお見舞いから結婚式スピーチまでの流れは、コメディ仕立てではあるものの、顔がクシャクシャになるほど切ない。映画館でガン泣きしてしまいました。

主演の峯田和伸の比類なき童貞的存在感は何者にも変えがたく、本当に特別な人だとしか言いようがない。ある意味、峯田和伸のアイドル映画でもあります。

_ 涼宮ハルヒの消失 (監督:武本康弘)

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俺ソッチ系じゃないんですけど、悔しいかな、傑作。

序盤のキョンのモノローグがあまりにもオタク向け丸出しでキツいものの、全体を通して見ると、そんなことは置いておけるほど良くできたセカイ系SFの秀作です。セカイ系はもうこれ一本で一生分お腹いっぱいというくらい。ジャンルとしてこれ以上のものが出てくる気がしません。

そして、悔しいかなヒロインたちも非常に魅力的です。

こういう系が嫌いな人にこそ、いっぺん見てみることをオススメしてみたくなる作品です。できればテレビシリーズを通して見てから臨むと数倍楽しめるのは間違いないのですが。

_ カラフル (監督:原恵一)

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今年はアニメでは『トイ・ストーリー3』『ヒックとドラゴン』といった海外産CG作品が圧倒的に高い評価を得た年でした。そんな中をかいくぐるように公開されたこの作品が、今年の俺デミー賞アニメ部門のトップ作品です。

情緒的なアニメを作らせたらトップ級の職人である原恵一が、「誰にでもあり得たかもしれない、15歳の風景」を見事に映像化した傑作です。映画の最初に始まる出来事について、“他人ごとにしか思っていない主人公”の行動が、思春期の非論理性と実に巧くマッチしています。15歳の鬱屈とした気持ち、押し込めた不安、友達がいるだけでそれがほぐされていく感覚など、言葉では共感しづらい15歳の風景が、映像と色でキッチリ表現されています。

他のアニメではほとんど見られない写実的な背景美術の表現なども、半端ない力の入りようなので、その辺も必見です。

_ 酔いがさめたら、うちに帰ろう。 (監督:東陽一)

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(↑は原作)

おそらくあまり注目されていなかったと思いますが、今年トップクラスの掘り出し物映画かなと思っています。

鴨志田穣の自伝的小説をベースに、氏の最後の日々を描いた物語です。つまりは、裏側から見た『毎日かあさん』。とはいえ『毎日かあさん』の飄々とした明るさとは違い、BGMも少なく、静かに静かに進む映画です。なのに、進むにつれて尻上がりに魅力的になっていくのです。

特に見るべきは、浅野忠信演ずる塚原=鴨志田穣の、アルコール病棟でのシーン。鴨志田穣が乗り移ったとしか思えないほど、言葉に真実味が乗っている、素晴らしい演技を観ることが出来ます。個人的には、今年の映画全体を通しても、トップクラスの名シーンではないかなと思っています。由紀=西原理恵子役の永作博美も良いし、子役たちの無垢さも、香山美子も良い味を出しています。

まだ上映中ですので、よろしければ劇場へ。

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