2011-11-30 ハロプロ楽曲大賞

_ アイドル楽曲部門。

今年は何かとアイドル文化に触れることが多かった年でした。何かしら文章にしておきたいような気持ちでしたので、せっかくだからハロプロ楽曲大賞に応募してみたいと思います。

普通に曲のみで選ぶとももクロ楽曲ばっかりになってしまいかねないところではありますが、それもあまり面白くないので、ちょっとバラエティ広めにとってみました。年末総決算的な感じですね。

あとまあこんな機会でもつくらないと、なかなかここに書くことがないのです。

_ 5位 [私立恵比寿中学] ザ・ティッシュ ~とまらない青春~ 0.5pt

今年のアイドル界隈において、もし作曲・編曲者部門賞があったとしたら、間違いなく上位に入ってくると思われるのが、ヒャダインこと前山田健一氏です。普通にいい曲から少々アタマのおかしい曲まで、そのオリジナリティあふれる楽曲はいかにも今っぽく、現在のアイドル音楽の隆盛のど真ん中にいるといっても過言ではないでしょう。

主にももクロ仕事で名高い前山田氏ですが、同じくスターダスト所属の私立恵比寿中学では音楽科主任教員の肩書きを担っており、ももクロ以上にエッジの効いた楽曲を連発しています。

この「ザ・ティッシュ」は、そんな前山田楽曲の中でも、狂いっぷりが際立つ一曲。BPM200オーバーのハードコアなテンポなのに、エビ中の皆さんはライブではこれに合わせてキッチリと歌って踊るパフォーマンスをするのだからビックリです。4月に中野で生で見てから、頭を離れない曲になってしまいました。

_ 4位 [Negicco] ニュートリノ・ラヴ 1pt

後にアイドルヲタっぷりが世に知れ渡る嶺脇氏がタワレコの社長に就任し、アイドル専門レーベルT-Palette Recordsを立ち上げたのもビックリなら、その第一弾アーティストの中にNegiccoの名前があったのもビックリでした。活動歴の長さで知られるNegiccoですが、最大の魅力はその楽曲の出来の良さ。吉田豪氏監修の「ライブアイドル入門」のヒットをきっかけに、楽曲の魅力とアイドル界髄一の苦労人っぷりについても、かなり広く知れ渡った感があります。

この「ニュートリノ・ラヴ」はT-Paletteでの第二弾シングルのカップリング曲。恋に恋するOLの心情を歌うというアイドルらしからぬ風景を描いたリード曲「恋のEXPRESS TRAIN」も佳曲ですが、アップテンポで現場でのノリが良く、キレの良いダンスも楽しめるこちらの曲が、個人的に今年の一番曲です。

_ [Tomato n' Pine] FAB (Free As a Bird) 1.5pt

(※非公式)

アイドル楽曲のDJ MIXでは定番となっているのがこの曲。ちょっとニューウェーブっぽさも感じさせるイントロのリフから、トマパイの三人の伸びやかなボーカルが実に心地よく入ってくる、これまた名曲です。アイドル楽曲でこれだけイイ感じの曲が楽しめるのだから、シーンの充実っぷりには感謝したいことしきりです。

トマパイはシングルのリード曲では「いかにも清純派!」という感じのオリーブ少女的な魅力を押し出し、カップリング曲のほうで音楽的な幅を出してくる印象があります。ジェーン・スーさんを始めとするサウンドクリエイターチームの手練っぽさが感じられます

_ [東京女子流] Limited addiction 3pt

いい曲揃いの今年のアイドル楽曲において、最も“ええ曲やー”という感がビシビシ伝わってくるグループが、東京女子流です。スラップベースがビシビシ鳴るファンクど真ん中の名曲「ヒマワリと星屑」を皮切りに、魅力的なファンクサウンドに女子の声を乗せた、新しいスタイルのアイドル楽曲を連発しています。その楽曲はあまりにも魅力的で、細く長い手足から繰り出すダンスの魅力と相まって、ネクストブレイクに最も近いポテンシャルを秘めているのが東京女子流ではないかと個人的に思っています。

この「Limited addiction」は、女子流楽曲の中でも比較的テクニカルな歌唱で聴かせてくれる、今年いちばんのファンクな曲です。ちょっと歌ウマ担当の小西彩乃さんに負うところが大きすぎるかなという気もしますが、全員にソロパートが割り振られるなど、女子流のこれからを感じさせてくれる曲でもあります。

_ [ももいろクローバーZ] Chai Maxx 4pt

今年のアイドル界で最大の話題は、間違いなくももクロのビッグブレイクでしょう。世間的にはZに改名してテレビに出まくれるようになった4月以降の活躍で知られますが、現場に出ていた側としては、実際のところ、やはり早見あかりさんの脱退発表から4.10中野サンプラザまでの約3ヶ月間こそが、アイドルの歴史に残るような奇跡の日々だったと言い切ってしまいたいと思います。

神聖かまってちゃんとの対バンとなった「伝説のAX」をはじめ、この時期に行われたライブは、とにかく凄まじいまでの高揚感と一体感に満ちていました。4.10までの、「今しかない」という刹那感。震災の影響で活動できない期間もありましたが、この期間を体感できたことは、非常に幸せなことだったと思っています。そしてこの時期のライブを支えたのがこの曲「Chai Maxx」でした。

プロレスの文脈やドリフのエッセンスなど、ももクロらしい無茶苦茶さがふんだんに盛り込まれた楽曲ですが、その中心にあるのは熱さと勝負感。ライブでこの曲がかかったときのアガる感じ、ぶっ放してきた感は他にない魅力です。ライブでこそ光る名曲です。


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